田中整体療院

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慣れることのない低周波音(2017.02.06.)

     

(トピックスの中で、これだけ臨床経験なし。ありえる要因なので掲載)

     

1.【低周波公害とは】   
2.【低周波音の発生源】   
3.【低周波音の被害症状】   
4.【被害を訴える人はどんな人が多いか?】   
5.【低周波音対策】   

        

1.【低周波公害とは】   
周波数が低くて耳には聞き取りにくいですが、エネルギーの大きな音に“長期間”さらされた結果起こる(主として身体的な)被害のこと。一般の人には“聞こえない騒音”ですが、被害者には“聞こえる騒音”なので、事態が複雑になります(個人差が大きく、家族の中で一人だけのこともあり、理解されず一人苦しむことになるケースもある)。さらに追い打ちをかけるのが、低周波音の被害を無理やり“普通騒音計”の測定で済まそうとするケースが多いため、いくら測定しても数値に問題はない、ということで相手にされず、低周波公害の被害者は泣き寝入りを余儀なくさせられているのが現状。   

        

2.【低周波音の発生源】   
音源から離れるにつれ、音は当然小さくなります。これを「距離減衰」といいます。低い音ほど減衰が小さく、高い音ほどよく減衰します。また、音源の面積が大きければ大きいほど、減衰量が小さくなります。音源面積ごとの減衰を示すと、   
◆面音源(大きな工場など)・・・ほとんど減衰しません   
◆線音源(道路など) ・・・・・距離が倍になれば3デシベルずつ減衰します   
◆小さな点音源    ・・・・・距離が倍になると6デシベルずつ減衰します   
ですから、例えば、巨大な工場全体が振動して低周波音を出していれば、この低周波音は物凄く遠くにまで到達します。したがって、思いがけないほど遠くの音源から被害を受けている場合とか、音源不明で、低周波音の被害かどうかはっきりわからない場合も、当然あるわけです。   

        

具体的な低周波音を発生させる機器は、大別すると次の3つになります。   
◆工場機器・・・・・エンジン、ポンプ、ボイラー、コンベアーなど   
◆輸送機器・・・・・自動車(走行音<ふかし音)、電車、船舶、航空機など   
◆家庭機器・・・・・特に冷暖房機(エアコン)   

     

3.【低周波音の被害症状】   
頭痛、頭重、イライラ、不眠、肩その他のコリ、動悸、胸の圧迫感、息切れ、めまい、吐き気、食欲不振、胃やおなかの痛み、耳鳴り、耳の圧迫感、目や耳の痛み、腰痛、手足の痛み・しびれ・だるさ、疲労感、微熱、風邪を引いたような感じなどなど(被害者に問診して多いと感じているものは、鼻血、頻脈、メニエール症候群。またアンケート調査で抜群に多いのは、頭痛、イライラ、不眠

  

*低周波音が比較的弱い場合には、何年もかかって、   
[第一段階]・・・不感期   
[第二段階]・・・前駆期   
[第三段階]・・・移行期   
[第四段階]・・・完成期   
以上のように進行していくとみられます。その根底には鋭敏化(感受性の高まり)という現象があり、決して単に心理的なもの(気のせい)が高じてそうなるのではありません。   

     

4.【被害を訴える人はどんな人が多いか?】   
家に長時間いる専業主婦だから被害を受けやすいといった条件を差し引いても、中年婦人に多い。   
*音に対する鈍感さを比較すると、女より男が鈍く、若い人、特に若い男は相当に鈍い感じです。老人もまた鈍いようです。ただし、これには個人差が大いにあります。   

     

5.【低周波音対策】   
一般的な騒音と低周波音は周波数が違いますが同じ空気振動です。従って、騒音公害の延長上に「低周波公害」もあると思われがちですが、両者は基本的に別な被害です。低周波公害の特徴的な訴えを挙げますと、   
①室内の方が苦しく、戸外の方が楽である   
②苦しい時、ラジオ・テレビなどの音を大きくすると、楽になる   
③閉め切っている窓・戸は開ける方が楽である   
④狭い部屋で苦しく、広い部屋の方が楽である   
⑤防音対策をすると、効果がないどころかかえって被害がひどくなることが多   
い。耳栓も効果がないだけでなく、かえって耳が痛くなったりする   
⑥同じ家族の中でも、被害を訴える人と平気な人とがあり、聴覚が普通の人た   
ちの間でも、個人差が著しい   
⑦月日が経っても、だんだん苦しさがひどくなることこそあれ、音に慣れると   
いうことはまずない   
⑧騒音計で測定してもらっても、低い値しか出ず、自分の苦しさに対応する数   
値を示さない   
以上のように、低周波公害の被害者は騒音被害とは異質な被害を訴えます。この被害の解決は一筋縄でいかない、というより低周波音の対策は非常に困難で(周波数が低いほど、反射と吸収が少なく、透過と回折が大きくなります。要するに減衰しにくいのがその理由)、相手、もしくは自分が立ち退くしかないようなところがあります。   

     

(参考書籍)   
・低周波公害のはなし(汐見文隆著)1994年   

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